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2007年3月10日 (土)

「 ジョン・メイオール・ウィズ・エリック・クラプトン/ ブルースブレイカーズ」1965年 紙ジャケット

このアルバムのようにどんな名盤特集にも載っている教科書のようなものに限って、聴いていないことが多い。でもあらためて聴いてみると、びっくり、確かに大名盤だと感動してしまった。そして皆がエリック・クラプトンに対して「ギターの神様」みたいなことを言う意味がやっと分かった気がした。

レコードショップでこのアルバムのデラックスエディションと紙ジャケットが売っているのを見かけ、ディスプレイしてあり、視聴もできるようになっていたので、ちょっと聴いてみたらぶっとんでしまった。聴こえてきたのはブルースロック。ところでブルースロック。ブルースそのものを聴いたことがなくても、ロックが好きならば必ず一度は耳にする音楽スタイルだと思う。エリッククラプトンの諸作、レッド・ゼッペリン、フリー、昔のフリートウッドマック、そして最近でもブルースロックとパンクを掛け合わせたブルースエクスプロージョン、そして大人気、フジロックのトリをつとめたホワイトストライプスなど時代は変わってもそのスタイルは今も受け継がれている。

ブルースというのは伝統のスタイルにとらわれず、本当に懐の深いスタイルなのだ。ホワイトストライプスなどデトロイトロックとブルースを掛け合わせそれにパンクにも通じる破壊的な衝動も表現し、ブルースロックが今日でももっともヒップでクールなスタイルだということを教えてくれる。だからイギリス人もアメリカ人も日本人もブルースロックが大好きだ。私もイギリスでたくさん出てくるブルースロックの新人、あるいはホワイトストライプスなどどれもかっこよく思えてしまう。

ところがこのブルースブレイカーズのアルバム65年にして今の多くの新人が取り組んでいるブルースロックのすべてがすでにある。新鮮かつ全く古くない破壊的でかつクールなブルースロックなのである。「ええ、なんだこれがすべての(特にイギリス人にとっての)原点だったのか!」と驚きと感動がいっぺんに押し寄せてきた。ただブルースロックの元祖というだけなら他にもそういうバンドはいるかもしれない(アメリカだとポールバターフィールドなど)。このアルバムがカッコイイのはブルースロックの原点ということより、エリッククラプトンのギターこれに尽きると思う。

この点だけに焦点を挙げれば、ホワイトストライプスよりもレッドゼッペリンよりもカッコイイ。このカッコよさは尋常じゃない。ディストーションを派手に利かせキラキラの音で迫ってくるクラプトンなんて信じられない。速弾きもラウドもスピードもあり、エレキギターのカッコよさの見本市である。私はこのアルバムのエリッククラプトンが彼のギタープレイとしては一番好きだ。今まで音楽としては「レイラ」にしろ「461オーシャンブルーバード」にしろクラプトンは数々の名盤を作ってきたと思う。でもギターの神様というキャッチフレーズにはいつも違和感があった。

先日プレイボーイ誌のギタリストアンケートで堂々の第1位に輝いていたがどうしてなんだろうと思ったりもした。でも同誌の中のインタビューでピーターバラカン氏が「ジョンメイオール&エリッククラプトン」の意味を理解しないとクラプトンの成し遂げた凄さは分からないといっていたのが、今こうして聴いて見ると実によく理解できる。裏ジャケットでシャツのカフスのボタンを締めないで、ギターのチューニングをする写真が最高に素晴らしい。当時のイギリスの青年の多くがこれをまねたというのもうなずける。カフスボタンはずして携帯オーディオでこれを聴きながら出勤したらなんか元気でそう。これこそ温故知新、現代人でも必聴のスーパーギターアルバムである。

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コメント

少し訂正させて下さい。スローハンドと呼ばれたのは、リラックスしたレイドバックの時代ではなくその前の弾きまくり、尖りまくりの時代のエピソードなんです。何でもあまりにフィンガリングが速すぎて左手の指の動きが見えずに、スローモーションに見えた錯覚を称してスローハンドと名付けられたそうです年代で言うと60年代終わりから70年代初めにかけてのことです。

投稿: Rockman | 2013年8月25日 (日) 01時01分

fino tonicさん、わざわざコメントありがとうございます。

私もfinoさんのブログ拝見させていただいて、お気に入りに登録しました。好きなものもかなり似ておりますし、影響受けているものも似てたりするような気がします。私も村上春樹の「スイング~」やピーターバラカンの「ソウルのゆくえ」持ってて大好きなのです。
素敵なブログですね。ぜひ続けていろいろ紹介してください。私は「ジョシュアベル」を早速聞こうと思っています。

投稿: ギョーザ | 2008年1月14日 (月) 21時49分

Blogよく見させてもらってます。
リンクはらせてください。
よろしくお願いします。

投稿: fino tonic | 2008年1月12日 (土) 18時57分

大阪公演ですが、本当のことを言うと僕的には、良くなかったです。
Claptonにリードギター1人とThe Derek Trucks Band のDerek Truck のスライド・ギター3本のド迫力~はありましたが、Claptonの本当のよさは、スローハンドと呼ばれるゆったりとしたギター・ワークにあると思いますよ♪
2本のギターは要らなかったと思う。
コンサートは轟音に包まれ、穏やかで、渋いClaptonの音色は最後まで聞けませんでした(><)
コンサートに行って初めて気がつきましたよーー
彼の良さが・・・

投稿: ryu | 2007年3月13日 (火) 23時34分

去年のClaptonの大阪公演よかったですよ♪
ただ、ティアーズ イン ヘヴン・ チェンジ ザワールド・ オーヴァー ザ レインボウが聴けなかったのが残念(><)
僕は、クラプトンが3大ギタリストのひとり・・・といわれるのには???です。
From the Cradle をノ-チラスで聴くと凄いと思いますが、音楽性は抜きにしてと、ただし書きを入れざるをえません。
彼のよさは、渋くなったボーカルと、スローハンドと言われるリラックスしたギター・プレイにあると思います。
今日、梅田に出て何枚かかいましたが、ジャクソン・ブラウン-ソロ・アコースティック第一集いいですよーー
今度、来日したら見に行こ~っと♪

投稿: ryu | 2007年3月10日 (土) 22時39分

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