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2009年12月28日 (月)

「ポールマッカートニー ソロ時代を聴く」

ビートルズのメンバーでは断然ジョンレノンが好きで、ジョンのソロ時代のアルバムはビートルズとは別の意味で大切に聴いてきた。でもビートルズ時代のポールはもちろん大好きだったのだけれど、なぜかソロ時代のアルバムは得意ではなくてあまり聴いてこなかった。ジョンもジョージもソロ時代はビートルズとはうまく離れて独自の価値のアルバムを作ることができたけど、ポールはビートルズを引きずりながら、うまくソロとして表現でききれなかったのかななんて勝手な思い込みを持っていた。

なんでだろう、この年になってポールのソロ時代のアルバムが完全に理解できるようになってきた。今までのが本当に思い込みに過ぎなくてポールはポールで独自のすばらしい世界を築いていたんだとようやく気づかされた。もったいない話だけど、それでも今になって気がついてよかった。今年ビートルズリマスター以上にポールに楽しませてもらいました。宝の山が突然目の前に現れたかのよう。せっかくだから大好きなアルバムベスト5を紹介しましょう。

第5位「Venus & Mars」

ビートルズ以降、ポールが目指した方向が4つほど感じられて(1)サージェントペッパーズのような曲と曲との関連性をもたせたトータル性(2)アビーロードのような組曲(3)R&Bやレゲエなど黒人音楽あるいはそういったグルーヴのあるビートへの接近(4)初期ビートルズのようなライブ感のあるエンターテイメントロックではないだろうか?このアルバムはそういう観点からすると(1)と(4)の部分をポールなりに完成させた、やりたいことをやって成功させたアルバムだろう。とにかくトータル性があって、曲のつながりがよく、アルバム一枚として聴きやすいし、エンターテイメントアルバムとして最高の出来だ。アレンジが凝りに凝っていて、サージェントペッパーズでやり残したことをここで全開にやってみたのか、ただビートルズよりずっと開放的で気軽に聴けるロックになっているのがポールらしい。文句のつけようがない一枚。

第4位「Ram」

発売当初最悪の評判を呼んだといわれるこの作品も、昨今ではミュージックマガジンあたりに最高傑作の評価を呼んでいる。ポールのすべてがここに表現されていると評価されるようになっているけれども、再評価してくれることはとってもうれしいけど、これがポールのすべてかといわれるとちょっと答えに窮するなあ。上の4つの方向性のなかで、これは(1)、(2)、(4)は確かに含んでいるかな。このアルバムも一曲一曲の完成度がずば抜けているというより、曲と曲のつながり、全体的なアレンジ、面白いアイディアなどが素晴らしい。とにかくアレンジとそれに伴う音深い響きは、スピーカーからぜひ聴いてほしい。素晴らしくいい音がします。特にRam,アンクルアルバート、Back Seat of My Car などアレンジとメロディー展開が凝っていて、通向けとしかいいようがない深い響きを聴かせてくれます。

第3位 「Chaos And Creation In The Back Yard」

Ramより上に持ってきました。もう完成度だけとったら全曲、ビートルズのホワイトアルバムに入れてもおかしくない出来。きめの細かいアレンジ、大げさに展開せず、英国風の品のあるコード展開、それに寄り添うすべてポールが担当する楽器演奏。この作品の貢献度にプロデューサーのナイジェルゴドリッチの役割は多大ですね。彼がいなかったらはっきりいってポールはこれを作れなかったでしょう。この作品に関しては上の(1)~(4)のどれでもなく、また1stアルバムのようでもなく、ポールのディスコグラフィ上もっとも異色な傑作だと思います。一聴地味なので、通勤とかでなく、部屋でスピーカーから音だして聴いてみてください。室内楽を演奏するがごとく。ロックではありませんが、これもポールの最も優れた一面であることは間違いありません。

第1位 「Tug of War

すみません、2位がなく、1位二つです。これもやはりジョージマーティンプロデュースというのが決定的でしょう。さらにはエンジニアがジェフエメリック(VenusMarsもそうです)。完璧にビートルズの再現ですねこれは。本人も封印してきたんですね、ビートルズ風というのを。真面目な人なんですね。でもこのアルバムでは遠慮なく、ビートルズのポールマッカートニーを全開。もう泣くしかありません。前編美しすぎるし、ロックで決めたパウンドシンキング(経済/不況ソング)もポールソロ史上もっとも品格と風格にあふれたロックサウンドです。これは発売当初から大好きでした。なにしろビートルズっぽいですから。ビートルズを卒業したファンが初めて聴くポールには最適でしょう。

第1位 「Band on the Run」

これもTug of Warとならぶポールの最高傑作ですね。上の(1)~(4)の要素がすべて詰まっています。初めて聴いたときこれがぜんぜん分からなかったのです。なんかメロディーの繰り返しが多くて単調に聴こえて。今だとこれがいかに凄いかよく理解できます。ポールはリズム面で大きなチャレンジを自分に課したのですね。R&Bのようなグルーヴを自分の曲に持ち込んで、その上でハーモニーとメロディーを組み合わせてみようと。多くの曲を自分ひとりで(とくにベースとドラム)演奏したことが幸いして、リズムとハーモニー、メロディーが最高の形で表現できた一枚です。昔単調に聴こえてしまったのは、このリズムを主体に組み合わせたハーモニーとかを聴き取ることができなかったから。今ならいかにすごいことをやってそれを、美しく響かせることに長けた作品なのか分かりすぎるくらい分かります。あと単純に名曲も多いです。タイトル曲にJet,BlueBirdなどなど。ちなみにこのアルバムでのりリンダとデニーのコーラスワークも見事に決まっています。

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2009年12月25日 (金)

『SPACE bootleg X'MAS TOUR 2009/ 少年ナイフ』渋谷CLUB QUATTRO 2009年12月24日

少年ナイフとbloodthirsty butchersとの共同イベントを、渋谷/心斎橋と見に行ってきました。少年ナイフはこのツアーに先立ち、イギリス、オーストラリア、アメリカ、カナダと長期ツアーをこなし、海外での活躍を果たし、「世界の少年ナイフ」のキャッチコピー通りの人気とプレイを披露してきたばかりだ。オフィシャルのHPに掲載されたツアーでの写真、またYouTubeに投稿されたライブ画像(違法のものですが)を見ていると、なんだかすごく誇らしい気分になってくるし(ファンとしての気分、べつに私が何した訳じゃないけど)、無性にうれしくなってくる。外国人の方々が少年ナイフワールドにはまり、ナイフグルーヴで踊りまくっている画像なんか見ると、「少年ナイフ、日本最高のバンドでしょ。それどころか世界一でしょう」と叫びたくなってくる。

そんな活躍のあとの凱旋ライブだからもう期待一杯。今回のツアーはゲストも多彩(サンボマスター、ビートグルセイダーズ、サニーデイサービス)で、ナイフ、ブッチャーズの共同ツアーに花を添えていました。さて、会場に着くと少年ナイフファンが一杯。心斎橋、渋谷と併せると、「少年ナイフのライブは50回いきました」位のリピーターの皆さんがすくなくとも10人は軽くいる。とにかくファンの思い入れが強いのが少年ナイフ。皆その音楽から感動を受けたくて、今か今かと待ち受けていて「ショウネンナイフ」コールを繰り返している。外国人の方もたくさん混じっている。ナイフオリジナルのクリスマスソングをバックに少年ナイフが登場。カラフルなコスチュームにカラフルな楽器。存在そのものがすでにクリスマスイベントにふさわしい華やかさ。こういう華やかなところが大好きだ。ショーは別にジーンズでもT-シャツでも「内容が良ければ関係ないでしょ」という意見もあるとおもうけど、私はやっぱりステージに上がる人はロックであろうがクラシックであろうが、ジャズであろうが非日常であってほしい。

Map Master」から始まったライブはいつもの通り、音はハードだけれどもビートは軽やかで、コーラスもメロディーも歌も爽やかで、ノリが良い。そのピュアで美しいロックに、多くの人が満面の笑顔で幸せ感を表現している。ライブに接すれば一発でわかるそのストレートで誰もが一緒に歌えるメロディーの数々、そして音楽評論家の渋谷陽一氏が「ロックのDNAを持っている」と評したギターのなおこさんの、古今東西の傑作ロックを彷彿させるギターリフのカッコよさを誰もが感じることができる。ライブ全体はロックのダイナミズムと独特の明るい幸せ感一杯だけど、個々の演奏や曲は、起伏も富んでいるし、奥行きや陰影ももちろんある。

今回のライブで特に印象に残ったのはリズムワークと、ハーモニーの素晴らしさ。リズムワークということでいえば、たとえば「チョコバー」(心斎橋のみ)や「ピラミッドパワー」などの曲でのこれまで以上のグルーヴ感がとてもよかった。少年ナイフはラモーンズ、バズコックスを出目とするバンドなのであまりジャズ、R&Bやファンクの用語であるグルーヴという横揺れ、うねり系リズムと適合性があったわけではないけれど、ドラムスのえっちゃん、ベースのりっこさんという強力なリズム隊を抱え、最近では過去の曲やピラミッドパワーなどの曲に、グルーヴを感じさせる、ノリのよくうねりを感じさせ、思わず体をダンスさせてしまうようなリズム作りをライブでよく披露するようになってきた。これがこのツアーでは爆発といった感じで、本当に素晴らしいリズムのノリを作っていた。二人のリズム隊もテクニックがあるというだけでなく、とても自発的に自由にリズムやサウンドを作り出し、その自由なリズム感が、そのままナイフの個性につながる「解放感」になっているところが素晴らしい。奇しくもピラミッドパワーでは歌詞にEW&Fが登場してくるけど、EW&Fもとても自由に開放的なグルーヴ(まあテクニックがあまりにも圧倒的というのもありますが)を作るのが最高に巧い。ナイフも「パンク」とか「ファンク」とかではなく、この自由で開放的な「ナイフグルーヴ」をとことん追求して欲しいと思う。

ハーモニー感覚の素晴らしさはそのまま、作曲者のなおこさんの耳の良さ、和声感覚の素晴らしさを表しているのだろう。なおこさんはまず、自身のギター演奏の中で、コードを鳴らすだけでだけで、曲のテーマを伝えることができるという天才的な作曲センスを持っている。渋谷で演奏した「スーパーグループ」。この演奏はある意味ライブのハイライトだったと思う。ドラムとベースが基調のリズムを作り出し、鳴らすべき、コード展開を伝える。この絡みだけで相当にカッコいいのに、そこにギターのコードが鳴らされると、もう曲が総天然色に変わってしまう。このイントロのハーモニーだけで3人しか音を鳴らしていないのに、曲に多彩な色が塗り込まれ、大きなスケールで展開し、「スーパーグループ」という曲のコンセプトが伝わってくる。

新曲の「Perfect Freedom」、「ロックンロールケーキ」も最高だった。ロックンロールケーキは、曲調はパンクだけど、ロックがアメリカで生まれたころのロック&ロールと呼ばれたころの、そのまっすぐで楽しくてウキウキ弾んでしまう気持ちを見事なまでに再現しており、ロックとロールケーキをただ語呂合わせでひっかけただけなのに、何故かロックの歴史まで想起させてしまう、美しくも楽しい演奏。Perfect Freedomは、面白い歌詞、複雑で凝ったドラムスとベースの絡み、「わっしゅだいどぅぅぅぅ」という可愛いコーラスがどれもナイフサウンドの真骨頂ともいうべきオリジナリティーにあふれた演奏と曲。えっちゃんとりっこさんが向き合ってイントロの絡みを見事に演奏しきって、そこからあの「やっと手にしたフリーダーム」という高らかななおこさんの歌声が導かれると天国行きです。

少年ナイフ、年末に本当に素晴らしいプレゼントを贈ってくれた。ナイフのライブはファンも最高に素晴らしいことも付け加えて置きたい。マナーもいいし、アーティストとの距離感もいいし、何より暖かい。でもこの暖かさはナイフの音楽を反映したものなのでしょう。来年もレッツナイフ!!で行きたいですね。

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2009年12月24日 (木)

「リマスターで聴くThe Beatles」

先日日経新聞を見ていたら今年のヒット商品番付みたいなのが載っていて、なんとビートルズのリマスターがランクインしていたのでびっくりしてしまった。この日本で累計200万枚ちかく売れたというのだから本当に驚き(まあ、私みたいに一人でMonoBox,StereoBox買ってしまった人とかもいるから、実質10何万人なのかもしれませんが)。

ご多分に漏れず、この2-3か月、いつ以来だろうか、ビートルズにのめり込みました。思えば初めて好きになったロックで、それこそその後の人生を決めてしまったようなバンドだから、とにかくたくさん聴いたわけで、正直今更リマスターで音が良くなったからといってそんなに聴きこむかなと思っていたのだけれど、はまりました。音が良いってやっぱり凄いね。もちろん所持しているオーディオ装置も子供のころとは比べ物にならないので、音の良さも、リマスターと愛器のオーディオ(B&W,アキュフェーズ)の相乗効果で、昔を懐かしむのではなく2009年の音楽として楽しむことができた。

ビートルズのリマスターでとても好ましく思えることが2つある。1つは若い人も年季の入った人も、ロックが専門外の人も、ビートルズという「古典」に触れることで、ロックの貴重な財産に出会えること。ロックはクラシックやジャズと違って歴史が浅いため、ジャーナリズムはロックの素晴らしさは「同時代性にある」と訴えているような気がする。それは間違ってはいないけれど、同時代的な音楽も昔のロックのフォーマットを無視したり、影響をのがれたりはできないだろう。同時代の音楽を聴く楽しさと、古典を聴くことの楽しさと相反するものではない。ビートルズがなぜ歴史を超えて世界を超えて愛されつづけるのか、その深みを味わえる。

2つ目は「レコーディング芸術」としてのレコードやCD作品を楽しむことを再び光を当てたこと。これまた最近のジャーナリズムの風潮は「音楽はライブだ。フェスティバルだ。」というのがあまりにも行き過ぎていて、録音されたCDは、ライブの予習くらいのイメージ、つぎのライブに行くまでの、時間つぶしのような位置づけになってしまってきている。まあCDが売れないからそうなってきている面も大きいのだけれど、私のようにオーディオ好きで、そのために録音されたCDなどのレコーディング芸術を愛する立場からすると、最近のCD軽視はなんだか残念なような気がする。「優れた作品には、みんなが思っているよりずっとたくさんの感動が記録されているよ」と大声で叫びたい感じなのだが、このビートルズのリマスターはまさにそんな気分を後押ししてくれる。特にビートルズはある時期レコーディング芸術としてのレコードを意図的にライブと同等に優れたものにすべく注力していった。「サージェントペッパーズ」「リボルバー」等明らかにレコード芸術をめざしたビートルズの姿勢がある。リマスターCDは、ライブだけが感動できる音楽のあり方ではなく、CDも同じように楽しめることを教えてくれる。そんなリマスタービートルズ、私が好きな作品、あるいはリマスターで見直した作品も含めて、ベスト7の感想を。

第7位「Beatles for Sale

地味、過渡的の一言で片づけられてきたフシがあるアルバム。振り返ってみて、たしかにこのアルバムを好きで聴きこんだ記憶があまりない。半数がカバーだからか、昔のCDやレコードの音が良くなかったからなのか(良さを反映できていなかったからか)。ところがリマスターで聴くと、もう新鮮そのもの。音が良くなったおかげで、このアルバムのもっている陰影感、奥行き感をずっと素晴らしく感じることができる。冒頭の3曲、おもにジョンの絶唱が好きでそこを中心に聴いていたけれど、リマスターは実にコーラスを美しく浮かびあがらせてくれる。この時期のビートルズがフレッシュさだけでなく、幅の広い表現を身に着けてることを感じさせてくれる。演奏も昔はカントリーなんて言われていたけど、陰影感を出すための軽さを表現できてると言った方が適切なような気がする。あまり好きじゃなかった「カンサスシティ」とか音のぬけが凄くて、コーラスのステレオ感が最高にカッコよいですね。イヤ反省しました。フォーセール、マイランキング上昇中です。

6位「With The Beatles

これ初めて買ったビートルズのオリジナル作品なんです。中学生の時、LPレコードでした。しかしなぜかその時の感動より、リマスターの方がずっと新鮮だったので驚いた。リマスターではっきりわかるのが、ファーストアルバムとの実力の違いと、R&Bへの傾倒度。子供のころは、ファーストとこの作品とひとまとまりに捉えていたけれど、故小野作品はずっとうまくなっていて、いわゆる「グルーブ」感が凄いですね。ジョンとポールのコーラスの掛け合いも迫力満点。「ハードデイズナイト」の洗練された感覚ともちがって、R&Bをごりごりとライブ感たっぷりにぶつけてくるところがこの作品の魅力。リマスターでのドラム、ベース、コーラスは生まれ変わったみたいに音がいい。

5位「Rubber Soul

1位に選ぶ人も多い、素晴らしい曲満載でムーディーなビートルズが聴けるところが魅力な中期の傑作ですが、リマスターだとベースになるビートの多彩な変化が味わえて、もともと多彩な色を持つこの作品が更に、切れも深みも増した感じです。美しい名曲という感じで正直それ以上のめりこめなかった「ミッシェル」など、そのリズムのおしゃれ感覚、ハーモニーの豊かさなど、なぜ人々がこの曲を傑作として扱ってきたのかが、遅まきながらやっとわかってきた。ジョージによるシタールの導入、ジョンのある意味ピークをなす傑作群はリマスターにより永遠の輝きをもたらしてくれると思う。

4位「The BeatlesWhite Album)」

まあこのあたりになると特段順位があるわけではなく、どれが1位でもいいのですが。最近もっとも評価が高いアルバムですね。ビートルズによる音楽宇宙という評価にまで高まった傑作ですが、ごった煮スタイルで様々な音楽が導入されてるのは皆さんご存知だと思います。なかでも、メンバーが独立してアコースティックで録音した曲が多く(いろいろ不仲もあったみたいですが)、このアコースティックナンバーが大いにリマスター効果をあげている。ブラックバード、マーサマイディアなどなど。もちろんこのアルバムの最大の魅力であるジョンのシャウトしまくるハードロック群もよりエッジをもって迫ってくる。まあでもこの作品はリマスター効果というよりは、この独特なスケールの大きさこそが永遠の魅力なのでしょう。

3位「Revolver

これは今回のリマスター効果の最大限の恩恵をうけた作品の一つでは。ベースとドラムの低域の迫力、豊かさ、グルーブが半端じゃない。どれもカッコイイのだけれど、なんと今まであんまり聴かなかったジョージの2曲(タックスマンを除く)が、シタールを巻き込んでインドとロックが完全融合した崇高でノリのある曲だと初めて心の底から感動できたのが一番の収穫。この作品も、ロック的かつ現代的ということで再評価著しい作品であるが、どうもそれがジョンの「Tomorrow never knows」(これ文法的には全然正しくないとエンジニアのジェフエメリックが言っておりました)に偏っているのが気になっていますが、このジョンの名曲だけでなく、ジョン、ジョージ、ポール(そしてリンゴもイエローサブマリンで最高のパフォーマンス)のそれぞれの実力がみごとにバランスをとっているのが、素晴らしい。とにかくビートに切れ、コク、深みがあってそこだけ聴いていても、心を奪われる

。第2位「Sgt Peppers Lonely Hearts Club Band

これが近年評価を下げているというか、人気が下降してきている作品かもしれない。私自身は元々この作品が好きになれず、リマスターがでるまでどうも何度も繰り返し聞くというタイプの作品ではなかった。ポールが主導を取り、これといって名曲の集まりというのではなく、そこそこの曲を、とてつもないアレンジとコンセプト立てしたところに凄味があり、ただそのゴージャンス感が自分には合わないのかなあなどと思っていた。ところがこの素晴らしいリマスターで、アレンジやコンセプトというより、音自体の練り込まれた魅力、磨きに磨き込んで多彩な色を放つ、その美しさに圧倒されてしまった。「あ、これがサージェントペパーズの凄さか!」と今頃気付いたというわけです。

1位「Abbey Road

これはリマスターと全然関係なく、とにかく一番よく聴いたビートルズのアルバムということで1位です。ジャケット、アビーロードという響き、しなやかな美しさ、メドレーの圧倒的な構成力、不思議な透明感すべてが好きです。迫力がないとか、表面だけとりつくろったビートルズとかの評価もありますが、これぞビートルズとも思わせる高みともいえます。リマスターで聴いてもこれは新鮮というより生まれながらの永遠なる作品という感じで完結した作品ですね。

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