« 2010年7月 | トップページ | 2011年7月 »

2010年8月24日 (火)

「The Velvet Underground & Nico」SACD-SHM 1967年作品 

ユニバーサルミュージックから、久しく途絶えていたSACDが復活となった。それも今までSACD化したことのないものなども含まれ、さらにビクターとの共同技術であるSHM仕様というパッケージで。

多くのSACDファンは諸手を挙げて、歓迎したことだろう。復活のきっかけはお客様からのたくさんの要望の電話だという。不況でかつ企業はなにより収益を求められる現在、このユニバーサルの姿勢は拍手ものだと思う。

さて、このSACD-SHMとにかく凄い。およそ今まで買ったCD/SACD系のパッケージメディアの中でも特筆すべき音。ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、クラプトン、カラヤン、サラヴォーン、スティーリーダンの5点購入してどれも滑らか、ワイドレンジ、空気感・実在感たっぷりの優れものであった。なかでも永遠のロック名盤、ヴェルヴェットの1stがまさかSACDになるとは思わなかった。

今回の発売のSACDでもヴェルヴェット以外はいわゆるオーディオマニア御用達のようなものばかりで、皆すでにSACDを購入していた人も多かったではないだろうか。オーディオ好きでも2通りいて、いわゆる録音のいいソフトばかり聴いている人と、録音と関係なくいろいろなソースを聴く人といると思うけど、私はどちらかというと後者。もちろん名録音にこしたことはないし、素晴らしい録音がスタジオ作品の感動を何倍にもすることを重々承知している。ただそれでも録音が良いからといってスティーリーダンやピンクフロイドばっかり聴いていているのもなんだし、録音悪くてもヴェルヴェットのように絶対欠かせないアイテムだってある(クラシックはその点、多くが音が良いので問題ないけど)。

そう、録音が悪いと決め付けていたヴェルヴェット、LPもCDもCDリマスターも持っているけれど、まあ似たり寄ったりの出来だった。そこに突然降ってきたユニヴァーサルの企画、本当にヴェルヴェットでいいの?誰が買うのだろうなんて心配になってしまった(もちろん内容そのものは超一級だけど。人によってはロック全歴史でもベスト5に入れる人もいるでしょう)。SACD-SHMにしたからって、そんなに音が変わるもんでもないだろうにと油断していた。ところが上記5アイテムでも一番びっくりしたのがこれ。「なにこれ、ルーが、ジョンケイルが、ニコが本当にここにいるよ!」びっくりの生々しさなのである。

ベストトラックはライナーで大鷹さんが書いていらっしゃるとおり、「毛皮のヴィーナス」。これヴェルヴェット好きな人が聴いたら、椅子から転げ落ちると思うよ。もともとこの曲なんか音がチープでよくとばしていたのだけれど、エレクトリックヴィオラ、ギター、ドラムどれもあまりに強烈で退廃気分満喫。ルーの「千年でも眠っていられる、千の夢をみて目が覚める」というあの歌唱が心に迫りまりくる。

カッコイイ。これSACD-SHMという器も凄いのだろうけど、マスタリングを担当したタキグチさんという方も素晴らしい。しかしオリジナルテープにはこんな音が入っていたんだ。このアルバムが誕生して40年、日本という地でこの名盤は再誕生したといっていいだろう。

ここまでの仕事をやり遂げたなら、いっそ2ndも3rdも出せば良いのに。明日の25日いよいよSACD-SHMは第二弾が出る。今度はどんなびっくりが待ってるのだろうか?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年8月 8日 (日)

Shonen Knife (少年ナイフ) Live At Mohawk Place 2009 DVD Good Charamel Records

少年ナイフ、本当に待望のDVDがアメリカはGood Charamel Recordsより発売された。

少年ナイフの映像作品が出るのはこれで3作目ではないだろうか(ゲストとかフェス除いて)。他の2作はオリジナル少年ナイフ時代のもので、つまりは1998年以前のものだった。今回のDVDは2009年のUSツアー、ついこの間のピカピカの新しい少年ナイフである(今また更に新しくなっているけど)。少年ナイフの最も優れたパフォーマンスはライブにあるので、DVDとか見るよりライブに足を運んだほうがよいのだけれど、そうはいってもDVDとかで毎日のように見てみたくなるのもファンの心境というものだろう。だからこの作品は長年のファンの渇きを癒すにふさわしいものだと思う。

さてこの作品今のところ、USのみの発売で日本で見るにはこのUS盤を手に入れるしかない。私は早速手に入れてみたけれど、Good Charamel RecordsのHPから簡単に買えるので、ご安心を。

http://www.goodcharamel.com/?select=store

このページからDVDのところクリックして必要情報を入力するだけで、約一週間で届きます。早く手に入れたい方は即このページへ移動(私の感想読んでからね)、ゆっくりでもいいから、日本のサイトから安心して手に入れたいという方は、日本のHMVオンラインが仕入れてくれるそうなのでここで買いましょう。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3884911

値段は為替のこと考えるとgoodcharamelのHPの方が安いかな。あとこのページ読んでくれたファンのために教えると、goodcharamelのHPで買うとかわいいナイフバッチをお土産でつけてくれるよ(HMVでもつけてくれるかもしれないけど)。

購買情報はこれくらいにして肝心の中身を。まず目に入ったのは、じゃなくて私の場合DVDでもなぜか音、音質が気になってしまい、そちらに先に耳がいってしまう。このDVDの音質が本当に最高。素晴らしいミキシングバランスです。

ライブにどのようなミキシング求めるか人それぞれだけど、このDVDの場合ライブ感もありながら、きれいに細部を拾っておりクリア極まりない。なおこさんのギターの音質聴けば、「ああ、これこれ、これぞナイフ」って誰もが思うに違いない。そこにりっこさんのズシンとくるドライヴイングベースがハーモニーとして重なり、えっちゃんの軽快ながらもダイナミックで鳴りのいいスネアが響き渡ればもう少年ナイフ天国。画像要らないくらい。なかなか最近のナイフのライブに足が運べないという方、ぜひこれ買って、ナイフがどんな音出してるかチェックしてみてください。凄いよ。

音だけでなく、演奏もカッコいいの一言。USツアーも最終段階にきてバンドの音もまとまってるのだろう、タイトでグルーヴィーなリズムにコーラスなども見事にきまっている。なおこさんの歌もギターも実に伸びやかながらもロックな迫力をみせており、少年ナイフここにあり、位のリアルロックを見せ付けている。

さてお待たせの映像の方だけど、これまた個性的な作りこみのされた、か独自の監督の美意識を感じさせる映像。まず映像もクリアの極み。小さいライブハウスだけど、映像の鮮明さで、なにかプロモーションビデオのような雰囲気を感じさせる。もちろん観客は熱狂しているのだけど、映像がクールでクリアなため、ライブの粗い感じがまったくしない、お洒落な出来。なおこさんの顔のアップが頻繁にでてきたり、演奏を上から眺めてみたり、斜めの角度からなおこさんとりっこさんが重なり合うように映し出されたり、一コマ、一コマのショットがとてもきまっている。

「Muddy Bubble Hell」でのえっちゃんの映像は多くのファンには涙ものだろう。集中しきったえっちゃんの顔、そこに手が何本にもみえる感じでしなやかに鞭打つようドラムを激しくたたきまくる姿を、とても美しく捉えている。これまたファンにはうれしい、あっちゃんがゲストで登場してくる。あの名曲を歌ってくれる訳だけど、これもゲストを迎えた華やかさよりもクールな映像でスタイリッシュに見せる。

最後にひとつだけ個人的な感想。このDVD、ロックバンドとしての少年ナイフの凄さを伝えるには100点だけれど、少年ナイフの魅力を全快で伝えているかというと、正直クールすぎると思う。

例えばBarnacleで、USやヨーロッパでも必ず、なおこさんがお約束のようにBarnacle、Hey!の練習を皆にさせていたと思うけど、このDVDにはない。少年ナイフのステージに出てくるときのドキドキ感やアンコールの熱狂など、やはり1990年代のビデオのほうが楽しく伝えていたと思う。そう、このDVDちょっとカッコよすぎて少年ナイフの持つ幸せ感やキッチュな感覚がなんとなく足りないような気がするのだ。

前のDVDだとなおこさんが「アーユーレディトゥロック?イエエー」とかやると皆すごく恥ずかしそうにイエー、とかやり返すシーンがあったりするけど、ああいうの含めて少年ナイフのライブだと思うので、そのあたりのユーモア感覚なども入れてくれるとうれしかった。なおこさんの笑顔もちょっと少ないのが気になったよ、反面シリアスでカッコいいけど。

まあ贅沢言ってる場合じゃなくて、こんな少年ナイフの奇跡のライブシーンをDVDで見れるだけで幸せというもの。さあ、長々付き合ってくれた皆、上のリンクで、ぜひ買いに行ってくださいね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年8月 3日 (火)

Vittel Sports Music Factory 『 Move on / 少年ナイフ 』

少年ナイフの新曲、「Move on」が素晴らしい。気持ち良いことこの上なく、何回もリピートして聴いている。このMove on、水で有名なVittelとのタイアップ企画のキャンペーンで、Vittelのホームページから無料でダウンロードできるというもの。スポーツする人を音楽で、ドリンクでサポートするというスポーツドリンクメーカーらしい企画物。

自分自身は水泳はするのだけれど、走ったりはしないのでこのMove onがどれくらいスポーツのBGMとして機能するのかは分からない。ただ純粋に少年ナイフの楽曲として聴けば、誰でも楽しめるポップな傑作だと思う。7月のライブでこの曲に出会い、えらく感動したことはこの間のブログにも書いたけど、こうしてスタジオ作品として聴くことができて改めて素晴らしい曲だということが分かり、少年ナイフがとても充実しているのが感じることが出来る作品だ。

一聴して誰もが感じるのがこのなんとも美しく高揚するメロディー。少年ナイフというとアップテンポでパンキッシュで歌いやすいメロディーを想像する人も多いと思うが、なんと突き抜けた明るいポップだろう。まあ、Vittelとのタイアップということもあって、スポーツする人に対しポップに分かりやすく前向きにというのもあるのだろう、しかしそれにしても高揚する気持ちのいいメロディーだ。

高揚して動きたくなるような感じでもあるけど、爽やかな風のように軽快でもあり、時にちょっと切ない感じがなんとも少年ナイフらしくていい。前回のライブでも初めて披露されたのにもかかわらず、多くの人がすでに「Let’s Move on!」って歌ってたもんね。なおこさんのすがすがしく透明感のある歌唱が輪をかけるようにポップにしている。

少年ナイフの素晴らしいところはメロディーを一人おきざりにしないこと。メロディーだけ、コードやリズムから浮き立ってしまうと、こういうポップな楽曲はよくあるJ-POPになりがちだけど、ナイフは様々な工夫でメロディーと呼応するように演奏が重なり合って行く。ギターが左右のスピーカーからなんとも不思議な金属音のような音色でザクザクしてみたり、ワウワウ響いてみたり、メロディーのノリを加速させるように面白い響きを展開しているし、ベースも細かくドライブしてみたり、メロディーと対になるメロディーを奏でてみたり、それも極めつけの素晴らしい音色で響かせ、この楽曲におけるベースの可能性を追求してくれる。ドラムも軽快にビートのうねりを作り上げて、聴き心地が良い。

一番感動したのはコーラスとそのアレンジ。前回のライブを見て、新生ナイフで最も素晴らしかったのはコーラスかなと思っていたけど、Move onはそれを最高に堪能させてくれる。3人の表現にコーラスワークが加わり、これからも美しいメロディーに一層のハーモニーが加わるのではと予感させるに十分な素晴らしい出来だと思う。ギターソロに移る前のブリッジの部分で美しいコーラスワークを背景に、低音で「Let's Move on Let’s Move on」とつぶやくところなんか(あの声はりっこさんなのかな?よくわからないけど)ロックらしい色気があって(スポーツで健康ってだけじゃないぞって迫力あり)ナイフの表現力が深まっていることを感じさせられた。

最後にちょっと歌詞を。キャンペーンソングでスポーツ応援ソングだから前向きなのだろうけど、なおこさんがここまで爽やかな前向きな歌詞を書くのは初めてではないだろうか。ちょっと聴き取りの状態で歌詞を訳してみます(不完全な聴き取り状態なので、こんな感じなのかなで許してください。間違えもいっぱいあると思うので、正式に分かったところであとで訂正しますので)。

Move on

人生はいつでもとても厳しいよね。たくさんの風と雨ばかり。

多くの出来事はこの言葉に集約される「あなたの望む通りにはいかない」と。

あきらめたらそこで終わり。大切な時間があなたを導いてくれる。

さあ、続けようよ。転がる石のように。

金メダルだってとれるさ。

さあ、動き続けようよ。転がる石のように。

その角を曲がった、まさにそこで輝かしい日を見つけることが出来るよ。

孤独を感じたとき、好きだった曲を思い出してごらん。

厳しい嵐もいつか止む。解放されて優しい気持ちになれるさ。

走り続けろ。

あなたに何が起こるかわからないから。

さあ、動かし続けようよ、転がる石のように。

ほら、続けようよ。転がり続ける石のように。

爽やかな前向きな歌詞と書いたけど、聴けば聴くほどなおこさんは本当にこの歌詞のように感じているのではないだろうか。少年ナイフを30年近くにわたって続け、今も不屈の意思で前進させ、ファンを喜ばせようとし続けるなおこさんそのものじゃないかと。いや最高の名曲です(蛇足ですが、無料だからいいんだけど、MP3の128Kbpsなんて圧縮フォーマットじゃナイフの魅力が完全に発揮されないです。いつかきちんとCDで聴きたい!)。Vittelに感謝しなないと。水泳のあと飲んでますよVittel。美味しいです、水だけど。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2010年7月 | トップページ | 2011年7月 »