少年ナイフ 「712 Day Party」 新代田Fever 2011年7月17日
行ってきました。少年ナイフ恒例の712DayParty。東京は新代田のFever」。もう超満員かつ怒涛の盛り上がりの素晴らしいライブだった。私だけでなく、多くの人が少年ナイフを見るのを心から楽しみにしていたのだなとよく分かる雰囲気だった。個人的には震災以降、これほど楽しみにしていたイベントはない。前回も書いたけど、あれからしばらく音楽が聴けなかったなんて人たくさんいるはず。そんな気持ちをやさしく溶かして暖めてくれる音楽として少年ナイフは最高のものだったと思う。
当日Feverに着くと、凄い人、人。最初のActが大阪ラモーンズ(少年ナイフ)ということもあって、最初からきちんと見てみたいと思ったであろう観客が、時間前からフロアに溢れかえっていた。いつも書いてるけど少年ナイフのファン層は実に幅広い。10代の小学生から60歳以上の人まで最上級のロックには年齢制限がない。10代、20代だけが聴く音楽でもなければ、大人のロック専門でもない。これは少年ナイフがただただ良質なロックを良質なやり方で提供しているだけなので、子供が聴いても気持ちがいいものだし、洋楽ロックを知り尽くしている世代でもアクセスしやすいからだと思う。
本日は本編の少年ナイフのライブの前に、大阪ラモーンズと住所不定無職のライブが行われた。大阪ラモーンズは少年ナイフのラモーンズトリビュートバンド。私はこの大阪ラモーンズ、1990年代に渋谷でみたことがある。たしか皆レザージャケットで現れて、最後に背の高いジョーイが現れた記憶があるのだが、10年以上たってもまったく同じ演出だった。
少年ナイフの演奏するラモーンズは、少年ナイフの原点を垣間見るようなものかと思ったけれど、実際の感想としては「ラモーンズって優れたアメリカンロックなんだな」というものだった。評論家の大貫さんが「ラモーンズはパンクのオリジネーターだけど、60年代のビートを確実に感じさせる」というような主旨をどこかで書いていたけど、この大阪ラモーンズを見ていると全く同感。さかのぼればスペクター、ビーチボーイズの香りがし、パンクな疾走感の中にも、60年代ロックのもつエヴァーグリーンな感じがして、なんとも気持ちのいいものだった。ロックンロールハイスクールでの途中、おもしろいサーフィンミュージックのような低音パートをなおこさんがうまく一人で声を変えて歌っているところなど、パンクにとどまらない、普遍的なロックを感じさせてくれた。
またナイフ独特のユーモア感覚もラモーンズのもっている音楽性にぴったりでとても楽しめた。「ガキを野球バットで殴れ」だの「KKKが俺の彼女を連れ去った」だのしょーもない歌詞(失礼!)を、あんなキュートなナイフのメンバーがにこにこ歌うのだから、楽しくないわけがない。あっという間の30分だった。
そして住所不定無職をはさんで、いよいよ少年ナイフの登場。いつものナイフ通りの、色彩感覚豊かなカラフルなサウンド、心から幸せになってしまいそうな楽しい歌、ダンスせずにはいられないグルーブ、そして疾走感のなかにも哀感のあるメロディー。すべてが最上級の少年ナイフワールド。心なしか、すこしスケールが大きくなって戻ってきてくれたような気がする。3人の演奏に余裕があるし、心向くままに弾きながらも、3人のグルーブ、ハーモニーはぴったり。観客の声が大きくものすごい熱気の中でも、演奏、歌がはじけるように輝いている。
ちょっと横を見ると最前列付近の観客に少女が二人くらいいて、大人に負けずナイフソングを一緒に歌い、手を振っている。子供たちの輝かしい笑顔を見ていると今日のナイフがどれだけ素晴らしい演奏をしているかはっきり分かる。そして関東地方の皆がナイフの音楽をどれだけ待っていたかも同じようによく分かる。
途中「SuperGroup」が始まると、最初のフレーズから観客が大合唱。結成から30年で、代表曲ではなくて、最近のアルバムからの曲がハイライトのごとく合唱されるなんて、そんなロックバンド今まであっただろうか?結成から30年のバンドのほとんどが、最近からのアルバムは申し訳程度、昔の代表曲のオンパレードではないだろうか(それはそれで好きだ。無理に受けない曲演奏するより、きちんと客と向き合って代表曲やってくれるのはうれしい)。この日ナイフは3大代表曲ともいえる「バナナチップス」「ロケットにのって」「ESP」と演奏せず、ここ3作の新しいアルバムからも沢山演奏した。30年たっても今を表現し続けるナイフが支持されているのだろう。大合唱の光景をみてると泣けてくる。
この日、Supergroup以外にも個人的には「Old Stationary Shop」「Move on」「I am a Cat」などが特に印象に残った。最新の名曲「Move on」ではオリジナルメンバーのあつこさんもベース/コーラスで加わっての演奏。美しいコーラスの中なおこさんはこう歌っている「次に行こうよ。次に移っていこうよ。転がる石のように」。少年ナイフはどんどん先を見て転がって行っている。少年ナイフの次のページを見てみたい。そこにはまた素晴らしい感動が広がっていると思うから。ありがとう、少年ナイフ!!
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